「SAVACAN」担当のMKです。
今回は、テレワークについて取り上げたいと思います。
コロナ禍の間、スペース・アイでも緊急事態宣言に合わせてテレワークを実施しておりました。
テレワーク中は通勤時間もなく、一人で業務に集中したい人にとっては理想的な勤務体系でしたが、コロナ禍が落ち着いた頃からテレワークの話題を聞くことも減り、「5類感染症」となってからはテレワークを取りやめる会社も増えたようです。
私はというとテレワーク中出歩くことがほぼなくなり体力が落ちてしまいました。夏場は出歩くとすぐバテてしまうようになり健康面の自己管理ができませんでした。どうもテレワークには向いていないようです。
今年に入り、Amazonがテレワークを取りやめ週5日出勤を義務化する方針を示したり、メタやグーグルが週3日の出社義務を導入するなど、出社の勤務体系に戻る傾向がみられます。そこでテレワークの今後について考えてみたいと思います。
テレワークは終焉に向かっているのか
Amazonは週2日の在宅勤務を認めるハイブリッド勤務を導入していたようですが、2025年1月から週5日出社を義務付けると発表しました。発信力が強い電気自動車テスラのイーロン・マスクCEOもテレワークには否定的な発言が多いです。GoogleもMicrosoftも完全にテレワークは終了していないものの段階的に出社日を増やす方針を示しています。
日本のある調査機関のアンケートでは従業員10,000人以上の企業では2024年7月時点で38.2%の企業が1週間に2~3日以上のテレワークを継続しているようです。従業員100人未満の中小企業ではテレワークの実施率が13.2%になり、ほとんどの企業が実施していないようです。
一般的にIT業界はデジタルデータを扱う業務が多く、リモート作業を導入しやすい業界と考えられていますが、Amazonのようなクラウド部門を抱える大手メジャー企業がテレワークを終了する方針を示したことで他社もそれに続くのではないかと言われています。
ではテレワークは廃止すべきものなのでしょうか、テレワークのメリットとデメリットを振り返ってみたいと思います。
業務におけるテレワークのメリット
テレワークを経験した個人的な見解を紹介したいと思います。
- 自分で考える力が付く
良し悪しは別にして、誰かに質問せず自分で考えて答えを出すようになっていました。
- 社内の情報がVPN経由でアクセスできるよう整備された
社内情報に自宅からVPN経由でアクセスできるように環境が整備されました。
社員全員に持ち帰ることができるノートパソコンが支給され、今後は緊急時に自宅から作業する必要が出てきたときも働きやすくなりました。
- Zoomを使ってお客様ともミーティングするようになった
WEB会議システムのZoomを使って社内メンバーや取引先の方とミーティングするようになりました。社外の方とのお打ち合わせとなると直接会ってお話しすることが当たり前でしたが、WEB会議システムを使うことで移動時間がなくなりました。
企業側として以下のようなメリットがあるのではないでしょうか。
- 経費削減
従業員の出勤がなくなることで通勤費、会社の光熱費が削減できる。
テレワークになったことで小さなオフィスに移って賃料を削減するニュースもコロナ禍ではよくありましたね!
- 人材の確保がしやすい
出社が不要な場合、遠方在住の方や場合によっては海外の人材も雇用対象とすることが可能となる。
また、育児や介護が必要となった場合に通常勤務が難しく退職されていた方も、テレワークによる柔軟な勤務を可能とすることで継続勤務が可能となる場合もあるかと思います。
- 情報のデジタル化が進む
今まで紙でやり取りしていた請求書、日報、契約書などが一気にデジタル化されました。
- BCP(事業継続計画)対策になる
地震が多い日本では災害時にオフィス以外でも勤務ができるようにすることはBCP対策にもなります。
- 従業員の安全を守る
感染症対策として効果的。
様々なメリットがあると思いますが、コロナ禍中は感染症対策を目的としてテレワークを導入した企業が大半で、メリットを上回るデメリットが存在するためテレワークを終了させる企業が増えていると考えられます。
では、次にデメリットについて確認していきたいと思います。
業務におけるテレワークのデメリット
こちらもテレワークを経験した観点から見解を紹介したいと思います。
スペース・アイでは週1日出社し、出社しない日はZoomにて朝礼を行う体制でした。zoom会議によるコミュニケーションはは必要に応じて実施可能でしたので個人的には大きなデメリットはなかった印象です。
- 聞けばすぐ解決することでも自分で長時間考える習慣がついていた
何でも自分で解決しようとして結果として一人だけの世界に入りがちでした。必要以上に時間をかけてしまった場面もあったかも知れません。
- 機器を自宅に持ち帰っての業務が発生した
VPN環境に設置できない検証マシンやパソコンなどを自宅に持ち帰っての業務が発生しました。自宅管理となるため、社内に比べて紛失・盗難のリスクは高くなるかと思います。
企業側として一般的には以下のようなデメリットがあるかと思います。
- 業務パソコンのセキュリティ管理がしずらい
弊社ではAvast Business Securityを導入し、セキュリティ定義ファイルの一括更新やウイルス対策を行っていますが、自宅に持ち帰っているパソコンの管理や利用状況を完全に把握する事は困難。
- マネジメントに時間がかかる
定型的な業務であればテレワーク中も成果物を管理する事で業務評価が容易ですが、定性的な業務の場合、頻繁に進捗共有と成果物評価を行う必要があり、マネジメントコストが上がる。
- 従業員同士のコミュニケーションが不足する
SlackやMicrosoft Teamsなどのチャットやweb会議ツールが活躍していましたが、雑談の様な日常的なコミュニケーションは困難なため、コミュニケーション不足による生産性低下の要因になる。
- 会社への帰属意識が低下する
出社がなく従業員同時のコミュニケーションも希薄となるため会社への愛着や帰属意識が薄れ、従業員のモチベーションの低下や離職に繋がる要因になる。
デメリットを考えるとテレワークを終了させた方が良い点も見えてきました。
しかし、テレワークを終了させる場合のデメリットにも考慮が必要です。テレワークに慣れた従業員は出社を否定的に考える方もいるでしょう。また、特にテレワークを前提として採用した人材は離職する可能性が高くなります。
BCP対策としてのテレワーク
日本の中小企業では廃止傾向の強いテレワークですが、BCP対策の観点からすると、テレワークの違ったメリットが見えてきます。テレワーク環境を整備する事で同時に下記の様なBCP対策にもつながる点があるからです。
・オフィスに依存しない組織体制
・業務データのデジタル化、バックアップの整備
・セイバーセキュリティの強化
・従業員のITリテラシー向上
BCP対策も考慮したテレワーク環境の整備を検討されている企業様で、環境構築でお困りのことがあればスペース・アイへお気軽にご相談ください。
また、名古屋市内(名古屋市外でも相談可)の企業様を対象にオンプレサーバーの構築・保守のご相談も承っております。
こちらについても、お気軽にお問合せください。