【情報漏洩対策】データディスクは物理的に破壊する

「SAVACAN」担当のMKです。

スペース・アイではオンプレミス環境のサーバー運用も多いため、エラーや故障で交換したHDD、SSDが蓄積します。
メーカーや業者へ廃棄を依頼する方法もありますが、コストやデータ漏洩の問題もありましたので弊社では物理的に破壊して、データの読み取りが不可能な状態にしてから安全に廃棄しています。
今回は弊社がどのようにディスクを破壊しているか、ご紹介したいと思います。

ディスク破壊の方法

完全にデータの読み取りが不可能な状態とするために最も効果的な方法の一つは、物理的に破壊する事です。具体的には、HDD、SSDの記憶領域に電動ドリルで穴を開けることで、変形・破損させ読み取り不可能にします。

目次

ドリルを用意する

今回のディスク破壊作業では、インパクトドライバーを使用しました。インパクトドライバーはパワーがありますが振動も大きく、またドリル部に少し遊びがありブレやすいので、慣れていない方はドリルドライバーの方が扱いやすいかも知れません。
ディスクの破壊作業において最も重要なのはドリルの刃になります。鉄工用のドリル刃が必須であり、素材としてはコバルト以上のものが良いでしょう。今回はコバルトハイス鋼のドリルビットを使ってみました。こちらのドリルビットはホームセンターで1本あたり1,000円程度で購入できます。

参考情報までに、今回はハイス鋼製を使いましたが、ワンランク上に超硬合金製のものがあります。より硬度が上ですが価格も高く、衝撃に弱い性質があるので今回は選びませんでした。
素材としてはコバルト以上のものに、ダイヤモンド製のものがあるそうです。今回記憶領域がガラス製のディスクがあり、コバルトのドリルビットでは歯が立ちませんでした。

個人的な感想としては、ドリルの幅が2.0mmのものが最も削りやすかったと感じています。作業のしやすさには個人差があるため、もう少し太いドリルの方が使いやすいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

ディスクを用意する

写真の赤丸部分にデータを保存する円盤状の記憶領域がありますので、この部分を破壊します。
写真のようにディスクの表側ではなく裏側から穴をあけるのが簡単です。
表の蓋部分はステンレスで出来ていることが多く、非常に硬いためドリルが入りずらいです。
ドリルビットを破損しやすいので、比較的柔らかい裏側の黒いアルミ部分からドリルを入れます。

ディスクの表側の蓋を貫通するかもしれませんので、下に何かを噛ませて作業すると安全です。
今回は丁度良いものが無かったのでダンボール箱の上で作業していますが、あまりお勧めはしません。

ディスクを破壊する

ディスクに穴を開ける際は、破壊を確実にするために同心円上にならない箇所に3か所ほど穴を開けるようにしています。
赤丸の箇所が穴をあけた場所になります。

ドリルが円盤を確実に貫通したか不安な場合は、表面の蓋を開ければ確認することができます。
蓋はネジで止まっていますが、一般的なプラス/マイナスではなく、星形なのでトルクスドライバーが必要になります。
このディスクの場合、ネジの場所は写真の赤丸部分にありました。アルミテープで隠れている場合もありますので剥がして確認します。蓋は接着剤で張り付けてある場合も多いので、マイナスドライバーを差し込むなど少々強引に剥がします。

蓋を開けてみると円盤を貫通していることが確認できます。

最後に

ディスクが動作することが前提となりますが、ドリルで穴をあけるだけでは不安な方は破壊前にshredコマンドを実行してデータを消去しておくとより確実ですね。

shredコマンドインストール

dnf install smartmontools

指定のデバイスに2回乱数書き込みを行った後、0を書き込む

shred -v -n 2 -z (デバイス名)

この方法はNSA方式と呼ばれ、米国家安全保障局(NSA)が推奨する消去方法です。
(最近はディスク容量の増加に伴い、ここまでやらなくても良いという見解もあるようですね)

かなり時間がかかります。
ディスク容量とマシン性能にもよりますが、1TBで12時間以上かかる場合もあります。

スペース・アイでは、クラウドやオンプレミス、VPSからSaaSまで様々な環境のお客様データを安全・確実に管理、運用しております。データ運用やインフラ構成にご不安な点がございましたら、お気軽にご相談ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次